『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』 ライダー・キャロル氏来日トークイベントに行ってきました

昨年アメリカで発売されたバレットジャーナル発案者自らの著書『The Bullet Journal Method』(バレットジャーナルメソッド)。
この度ついに、日本語版が発売されました!!それに合わせて、著者ライダー・キャロルさんが来日。幸運なことに、銀座伊東屋さんで開催されたトークイベントに参加することができました!

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トークイベントは、文具ソムリエールの菅未里さんとの対談形式で行われました。

バレットジャーナルは、ともすれば「写真映えする、自作手帳」という、派生した側面に注目されがちですが、本質はとてもシンプルで、だけど、日本語版タイトルにあるように大げさでなく”人生を変える”ノート術であり、思考整理術。
発案者のライダーさんのお話を直に聞き、バレットジャーナルの良さを改めて感じることができました。

目次

困難から生まれたノート術

ライダーさんは、小学生のころ、注意欠陥障害(ADD)と診断されたそうです。授業に集中できず、周りの生徒と同じようにできないことに劣等感を抱いていました。そんな中、授業中に絵を描いてみたらその間は集中でき、全く聞き取れなかった授業内容も聞き取れるように。
でも、先生には話をしているときに絵を描くなんて!と怒られ、先生の目を盗んで、先生が別の方向を向いているときに絵を描き、こちらを向いている間は聞いているふりをしていました。

ですが、そのうち、先生は彼が絵を描くことで集中できることに気づき、自分で自分に合う方法を見つけたことを褒めてくれたそうです。

そこから20年以上に渡り、自分に合う方法を試行錯誤し、さらにそれをシンプルに削ぎ落として生まれたのが”バレットジャーナル”という手法なのです。

デジタルかアナログか

今のデジタル全盛の時代に、なぜアナログなペンとノートなのか。

”デジタル  VS  アナログ”ではなく”デジタル & アナログ”だとライダーさんはおっしゃっていました。

デジタルは、地球の裏側にいる友人たちと会話できたり、情報をシェアしたり、周りの人とつながるにはとても便利。ですが、SNSやネットを通じて多くの情報を得られる反面、その渦に飲み込まれてしまうことも。自分の考えややるべきところに集中するには?そこで登場するのが、昔ながらのノートとペン。

自分の中と繋がるには、スマホの通知から解放され、向き合う時間が必要。
それがペンを持ち、ノートに向かう時間。ノートを広げて、情報の波から解放され、自分の中とつながるにはアナログの方が適している、ということです。

また、ライダーさん自身も全てアナログで!という訳でもなく、Googleカレンダーも使われているそうです。自分の目的を考え、それに適した手段、自分に合っているものを選んでいくというのが大切なのですね。

 

「なぜ?」ということ

本当はシンプルだと言われても、「バレットジャーナルが続きません」「私には無理」という声が聞こえてくるのも事実。本当に、簡単に始められて、続けられるのか。

ライダーさん自身がバレットジャーナルの方法を教えるときに一番最初に聞くのが、
「なぜ、バレットジャーナルをするの?」
「バレットジャーナルをして何を達成したいの?」
ということ。

 

今はSNSなどを通じてとても美しいアートのようなバレットジャーナルを見かけることが多く、本質とは違った解釈が広まっているように感じます。アートのようなバレットジャーナルが間違っているというわけではないですが、基本をまず理解し、その上で綺麗にすることを楽しみましょう。

ただ綺麗だから、かわいくしたいから、という理由では長続きしません、とおっしゃっていました。

 

本業のかたわら起業し、夜や週末に必死になって働き、ようやく製品を出荷。
その製品を手にしたとき、本来なら夢が叶って感動する瞬間だったはずなのに、嬉しいと感じなかったそうです。本当に自分が望んでいたものだったのか・・・

自分が本当に望むもの・・・
すぐに答えられる人は少ないそうです。
それを自分で自覚し、それに向かって挑戦するときに本当の喜びを感じるのでしょう。

自分の中の望みを発見するにも、自分との対話が必要。その過程にもバレットジャーナルが有効に使えそうです。

 

ツールのこと

ノート1冊とペン1本から始められる、と言ってもどんなノートがいいの?ペンは?気になりますよね。
ライダーさんにとって、道具は”意識しないものが一番良い”とおっしゃっていました。

何か使いづらいなーとか、ちょっとした違和感が使うときのストレスになります。意識しない状態=今に集中できる、ということですね。

ノート

色々試した結果、紙の厚さもちょうどよく、保管にも適しているものを見つけ、それがロイヒトトゥルム1917だったそうです。ロイヒトトゥルムの理念にも共感し、公式ノートの発売に至ったそうです。

どのサイズがよい?という質問がありましたが、自分の生活に合うサイズが良い、とのことです。
また、1冊か複数冊(用途ごとに分ける)か、ということについて。
ライダーさん自身、学生時代は教科ごと、卒業してからはプライベートと仕事用と分けていたそうです。ただ、仕事中に家の用事を思いついたり、家にいるときに仕事のことを思いついたり。どこに書くか迷ったり、どこに書いたか忘れたり、その結果1冊にまとめることをおすすめされているそうです。
ただ、会社の規定で私物を持ち込めないこともあると思うので、臨機応変に考えるとよいそうです。

ペン

最初は特にこだわりがなかったそうですが、多く書くようになり、スムーズに書けるものを求めるようになりました。

バレットジャーナルのコミュニティの方のおすすめで色々試した結果、今は”ファインライナー”を使われているそうです。(特定のメーカー名には言及されませんでしたが、ペン先が細めの固いサインペンのようなもののようです。)

最後に

今回とても響いたのは、”Why?”ということ。どうしてバレットジャーナルをするの?バレットジャーナルを通してどうなりたい?

バレットジャーナルのことに限らず、このところ自分の行動や選択の奥にある「理由・目的」が大事だなと感じる場面が多くあります。私はなぜバレットジャーナルを続けているのか、どうなりたいのか、改めて考えてみたいと思います。

 

バレットジャーナルに出会って2年半。それまでも手帳好きでしたが、圧倒的に”書く”ことが好きになりました。また、少しずつですが、やるべきことが効率的にできるようになったり、ちょっとした自分の興味を見逃さないようになってきました。

ただ、だんだん自分流にアレンジしてみたり、少し基本とはずれてきているところもありました。今回発売された本を読み、基本に戻って続けていきたいと思います。

今回、発案者の方から直々にお話を伺うことができ、またこのような素敵な手法を発表してくださったことにお礼を言えたのはとても嬉しかったです。バレットジャーナルを発案された経緯、コミュニティとの関わり、新技法のアイデアがあっても十分に検証した上で発表するなど、ライダーさんのとても誠実な人柄をうかがい知ることができました。

 

日本でも「写真映えのする」「(ちょっと大変そうな)自作の手帳術」という認識が広がっているのかなと感じます。でも、本質は、自分と向き合い、目標に向かって進むためのノート術。
今ある手帳にも取り入れられる部分もあります。

もしよければ、ぜひ本を手にとってみてくださいね!

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この記事を書いた人

高校生のころから手帳を使い始め早20年。
手帳と文具大好き。
今は、海外の自作手帳術、バレットジャーナルにはまっています。
手帳や文具について、バレットジャーナルの魅力などについてお伝えします。

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